「ここから」 vol.016 気張らず、気軽に美術館を楽しみたい!
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3自分の家に飾るならどれ? 「自分の家に飾るなら、その作品がどの部屋に合うか」「知り合いの個性に合わせて作品を選ぶなら」などを考えると、違った見え方になります。買うならどれ? その日見た作品で金銀銅のメダリストを決めたり、お金を出して買うとしたら?と考えながら見たりすると、主体的な鑑賞になります。展覧会場は2周する 1周目はざっと見て、2周目で気になった作品をじっくり見る。気になった作品の前で3分間粘り、頭の中で自分の言葉でその作品を説明してみる。作品を言葉で説明すると、観察が細かくていねいになるため、パッと見ただけでは見落としていたこと、気がつかなかったことに気づいたり、最初はわからなかった感覚を感じ始められたりします。作品の味わいが増し、作品とのコンタクトも深まります。美術館がグンと楽しくなる!非日常の空間そのものを楽しむまずは近場の美術館や常設展へ印象を書きとどめ自分だけのデータベースづくりを画展に目がいきがちですが、大勢の観客で押し合いへし合いとなり、なかなかゆっくり作品を楽しむことができません。 それに比べて、常設展はゆとりをもって見ることができるので、じっくりと作品と向き合い、作品世界や作家世界に心ゆくまで浸ることができます。さらに、お気に入りの作品が見つかれば、常設展なら何度でも見に行けます。また、常設展のほうが料金も安いことが多いので、財布にもやさしいといえます。 「習うより慣れよ」という言葉は美術鑑賞にも当てはまります。日常とは隔絶された、美術館の非日常の空気そのものを楽しみましょう。 「美術館大国」である日本には、1000以上の美術館があるので、まずは自宅近くの美術館へ行ってみるのがいいかもしれません。自分に合わなくても交通費や労力がかからないので、最初の一歩におススメです。 また、旅先にある美術館の常設展に入るのもひとつです。リラックスした気分の旅先で見ると、思わぬ出合いがあるかもしれません。最初はつい大型の企 美術鑑賞が楽しくなってくれば、美術館へ行くこと自体を旅の目的にするのもよいでしょう。美術館へ行く回数が増えてくれば「美術館日記」をつけたり、行きつけの美術館を作ったりするのも楽しくなります。 印象に残った作品や気がついたことを書きとどめておくと、自分だけの美術館データベースを作ることができ、お気に入りの美術館は時間の積み重なりとともに、大切な場所となります。ありがたがらずに見る あくまで「自分が楽しむ」ということが重要なので、作品全部を見る必要はありません。ほかの人の迷惑にならない範囲であれば、順路通りに見る必要もなし。解説プレートは作品のあとから見るなど、先入観を排除することで、個人の主体的な鑑賞が〝起動〟します。

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